誰かのファッションをそっくり真似するのはカッコ悪いことなのか?

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こんにちは。ミランダかあちゃんです。

昨日のコーデをのせ忘れていました。
本当は誰にも教えたくない、大人の上野の楽しみ方

リメイクスカーフストール・エルメスバージョン。
90㎝×90㎝の正方形スカーフだとこうはならないのですが
リメイクスカーフストールは、スカーフを縦に2枚つなげた長さになりますので
こんな感じのたっぷりと長く使う巻き方も可能になります。
あなたもタンスの奥で眠っているスカーフがありましたら、リメイクで生き返るかもしれません。

詳しくはこちらでご紹介しています。→「スタイルレシピマーケット」

今日は「北斎とジャポニスム展」のお話です。

「北斎とジャポニスム展」とは

葛飾北斎はみなさんよくご存知の通り、江戸時代後期の浮世絵師です。
浮世絵をはじめ、北齋が描いた挿絵、漫画、錦絵、版画などが
錦絵40点、版本約70冊(ページ数にしたらものすごい数)展示されていて、
北斎は画家というより膨大な点数を描いた天才的なイラストレーターだったのね、と感じました。

この展示の特徴は北斎作品と共に
北斎の作品に影響を受けた、西洋美術の巨匠たちの作品を1対1で展示している点にあります。
ドガ、ゴーギャン、モネ、ゴッホ、スーラといったヨーロッパ画壇の巨匠たちや
アールヌーボーの家具、食器の絵付け、エミール・ガレなどガラス工芸アーティストたちが、いかに北斎の世界観にインスパイアされ影響を受けたかが見比べられるようになっています。


出典:企画展図録

絵の見方をつべこべ言われるなんてまっぴらだわ

とっても面白い切り口の展示ではあると思うのですが
大量に見続けているうちに、かあちゃん少々ウンザリしてきました。

「この北斎の構図を、モネがそっくりパクってるでしょ?」

「ドガの踊り子のポーズが、北斎の相撲取りのポーズと一緒じゃない」

「エミール・ガレのガラスの水差しのツタの絡まる模様が、北斎の挿絵とうりふたつ」

数十点の展示ならまだしも、延々これが続くので
「絵ぐらい好きに見させてちょうだいーー!」って叫びたくなってきました。
なんというか、「この絵はこういう風に見るんですよ」と意図的なキュレーターの誘導がうるさく感じられて。

例えばこれ。
モネの「陽を浴びるポプラ並木」と北斎の「富嶽三十六景」

出典:企画展図録

画面に垂直に木立が並んでいる構図、そりゃここだけ抜き出せば似てますよ。

でもモネの作品は、光と影、空と雲と木々の緑や、水面に映る色や輝きの魅力にあふれた、いつものモネらしい清涼感あふれる絵ですし、
北斎の方は、面白い枝振りの松並木越しに見える富士と、人々が富士を仰ぎ見ながら街道を歩く様が生き生きと伝わってくる、自然と人間の共生を描いた躍動感のある絵。
それぞれの絵の良さを、そのまま純粋に満喫する方が、かあちゃんは好きです。

例えて言うなら、ヒラメのにぎりと、フレンチのヒラメのシャンパンソースを交互に食べさせて、
「な?やっぱり寿司が最高だろ?だろ?」って言ってくる、ウザい彼氏みたい?!
「対比展示」は、言いたいことも主題もまるで違う作品の共通点ばかり確認させられているようで疲れました。

それと、春画のコーナーだけ区画が独立されてて「このコーナーは性的な描写の作品があります」っていう表示があったのにも、目がテンになりました。レンタルビデオ店じゃないんだから〜。修学旅行の中学生には見せないつもりかしらん??

 

これと似た気持ち悪さをどこかで感じたことがある

これと似た気持ち悪さってなんだろう?って思った時
「このハゲー!」だの、相撲界の不祥事だの、どうでもいいことばかり取り上げて
本当に大事なことに触れようとしないマスメディアに似ているな、と感じたんですね。
情報は切り取り次第でどうにでも印象操作できるわけで、
受け取り手であるかあちゃんたちが情報の出所とか、語っている人や機関が信頼できるのかどうかをきちんと選別しないと怖いことになる。
芸術は基本どんな感じ方をしてもいいわけで、正解なんてありません。
誰かに見方を操作されたり、正解を押し付けられたりするのではなく、自分の心が動くままに素直に感じたり感動したりしたいです。
(もちろん今回のようなことを知識として知っておいても邪魔にはなりませんが)

 

誰かのファッションをそっくり真似するのはダメ?

考えてみればファッションも同じかもしれませんね。
西洋の巨匠たちが、新鮮に感じた北斎の世界を次々と下敷きにしていったのは、アートの世界では当たり前のこと。
ファッションだって、優れたメゾンは必ず過去の歴史を踏まえているし、模倣から発展させて次の時代へと昇華させていきます。
だからもしあなたが、「生き方やファッションが素敵だな」と思った人がいて、その人のコーデを真似しても、それはそれでいいんです。
だってあなたがその「誰か」になることはありませんから。
むしろ全くゼロから、何も参考にせず自分のスタイルを作り上げる人がいたら、その方はとっくに著名なデザイナーになってます(笑)。

ただし、お手本にしたい素敵な女性は世の中にたくさんいるわけで、「なぜ?どこを?真似したいのか」の軸がないと迷走します。

ある時はいつもユニクロを着ている人
ある時は40代雑誌のモデルさん
ある時はゴージャスなインスタグラマー
こんな感じだと、決局誰にもなれないままかもしれません。

だからまずは、「あなたが自分らしいと思う点、これだけは譲れないと思う点」があって、
お手本にしたい人の「どこがいいのか?どこを参考にしたいのか?」を自分なりに選択することであなたらしい魅力に満ちたファッションが花開く。
そんな風にかあちゃんは考えているのです。

今日は堅い話でしかも長文でごめんなさいね。
ちなみにかあちゃんはこの絵、お風呂掃除が終わって「よっこらしょ」と腰をあげた自分に見えます。(笑)

誰かのファッションをそっくり真似するのはカッコ悪いことなのか?” に対して 4 件のコメントがあります

  1. ふくちゃん より:

    かあちゃん、こんにちは。
    毎日ブログ楽しく読ませていただいていますが、今回はとても共感したので初コメントです。
    確かに北斎の絵に影響を受けている部分もあるかもしれませんが、ここまでくるとこじつけ?(笑) 絵を比べられた画家たちも不本意なことでしょう。お寿司屋さんの会話は、例えが言い得て妙!
    芸術はおっしゃる通り自分の感性で受けとめ、視聴者をあおるゴシップには話半分で聞き、今年は自分のスタイルを確立したい、と思った今回のブログ、読んで良かったです。

    1. 輪湖もなみ 輪湖もなみ より:

      ふくちゃんさま、こんにちは。コメントありがとうございます。
      ずいぶん生意気なこと書いちゃったかしら;^^ なんて思っていたので、コメントとっても嬉しく読ませていただきました。
      かあちゃん的には「買いました。着ました。」だけのブログだと、大人女性としては少々物足りないわと思っております。
      これからも色々勉強して精進してまいりまので、どうぞよろしくお願いします。

  2. じゅんこ より:

    はじめして。
    いつもブログを楽しみにしております。
    40代になり、体型に加え、肌や髪の質感も衰えを感じるようになりました。
    ある程度頑張って衰えすぎないようにしてはいるものの、今まで着ていた服も似合わなくなり、完全にファッション迷子でした。
    色々な方のファッションブログを拝見しましたが、自分の目指したい姿を見つけることはできず、途方にくれていたところにこのブログとの出会いがありました。
    現在カナダに住んでおり、現地の方と比べて、日本人である私の見た目と中身の幼さを感じてはいましたが、大人であることを楽しみ、大人だからこそ馴染むファッションを目指していこうと思えました。
    ミランダかあちゃんのおかげです。
    今年帰国予定ですが、流行に影響され過ぎず、自分の芯を確立していきたいです。

    1. 輪湖もなみ 輪湖もなみ より:

      じゅんこさま、こんにちは。コメントありがとうございます。
      カナダにお住まいなんですね!豊かな自然に囲まれて、素敵な生活を送っていらっしゃることでしょう。
      日本にお帰りになると、きっと、世界中の様々なものが簡単に手に入り、街に溢れていることに驚かれると思います;^^
      便利な反面、自分の芯がないとモノにふりまわされかねないですよね。
      嬉しいコメント、とても励みになりました^^ありがとうございます。

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