人に負けたくなくて服を着ていた時期が、かあちゃんにもありました

お友達のファイナンシャルプランナー西山美紀さんが
ご著書を出版されました。

西山さんは「ALL About」の貯蓄ガイドでもいらっしゃり
with、日経ウーマン、日経DUALなどで執筆をなさっています。
同時に2児の母であり主婦なので、
私たち主婦にわかりやすい目線で、お金が貯まる体質について
解説してくれています。

「最近、何かいいものを買いましたか?」
と聞かれら、あなたはなんて答えますか?
西山さんによると、3つのパターンに分かれるそうです。
(1)「ええっと、いろいろ買ったけど、いいものというのは特に・・」
(2)「節約ばかりで買い物はしていません」
(3)「お金を貯めてこれを買ったんです!」(と嬉しそうに見せてくれる)

(1)の人はやみくもに買い物をしているので
何を買ったか覚えていない人。
(2)の人は、節約が趣味という人。
(3)の人は、お金を貯めながら人生を楽しんでいる人 だそうです。

せっかくお金を使うなら、記憶にしっかり残る買い物をする。
そのためには、「どんなものを買いたいか」ということを
普段の生活から具体的に考え「欲しいものリスト」を作っておくこと。
本の中で西山さんは、このように説明していてとても共感しました。
確かに貯める喜びというのはあると思うけど
何もかもひたすら節約・我慢し
家計簿と通帳を毎晩眺めて「うひひ」と言っているだけの生活って
ちょっと味気ないですもんね。

+++++

ところで、かあちゃんにも
いくら服を買っても、ちっとも豊かじゃなかった時期がありました。
かあちゃんは、女子校のバリバリ体育会バスケ部だったので
制服のスカートの中にジャージを着こんで通学。
私服も、スヌーピーのTシャツとジャージでした。
その後共学の大学に入ったので、さすがにこれではまずいと思って
JJを愛読し、マークの入った高いポロシャツを着て
おしゃれなつもりの女子大生になりました。
つまり完全に大学デビュー(汗)

ところがですね、なぜだかご縁あってファッション業界に就職し、
いや〜驚きました。
世の中にはこんなにもおしゃれでセンスのいい人がいたとは!
彼らは、家が都内の老舗店だったり
小学校から都心のブランド校だったりして
高校生から六本木や乃木坂なんかで遊んでいて
何もかも洗練され、垢抜け方が尋常じゃなかった。
「おしゃれって生まれつきだったのね?!」って思いました。

垢抜けない新入社員だったかあちゃんは
そんな彼女たちを毎日穴のあくほどガン見して
どうしたらおしゃれになるのか、観察しました。
そして、自宅通勤なのをいいことに
お給料のほとんどを服につぎ込み次から次へと
最新トレンドの高価な服を買い漁ったんです。

アストラカン(子羊)の毛皮のコート
アライアのボディーコンシャスワンピース
バーバリーのステンカラーコート
社販も一度に10万も20万もつぎこみ
20代後半なのに、すごい高額ファッション。
さぞかし老けて見えただろうね〜。
そして、おしゃれな彼女らに
「あ、今日素敵ね!」とか言われると、
認められ仲間入りができた気がしたんですね。
おしゃれは自分のためじゃなくて
人と競うもの、威張りをきかすものになっていったんです。
今考えるとすごいコンプレックスの裏返し。
「人に負けたくない」のが目的だから
同じ服はほとんど着ない。
実家で捨てたアストラカンのコートは
母が拾って、犬のお布団になってました。(笑)
そういうおしゃれは、買っても買ってもきりがありません。
ちょうど責任のある仕事も次々任せてもらえるようになり、
自分を身の丈以上に見せるためのおしゃれは、際限なく続きました。

そんな私の考えが180度変わったのは
30代前半で産休をとったときです。
出産をへてダイエットし、お腹が元どおりになって
ようやく思い通りの服が着られると思ったのに
どこにも行くところがないんですよ。
人に見られる場所がないから、服を着ていく場所もない。
あの、クロゼットにパンパンに詰まった服はいったいなんのため?
会社は当然のことながら、かあちゃんがいなくても普通に回っているし
急に自分の存在意義を失った気がしました。
ゲームのキャラクターを集めてバージョンアップするみたいに
服を買って自分がバージョンアップできると思うのは
間違いだし、不幸だし、ちっとも豊かなことじゃないって
そのときようやく目が覚めた気がしました。

このブログを読んでくださっている方のなかには
とにかく新しい服を買えば、人生なんとかなるんじゃないか?
って思ってる人がいるかもしれません。
過去の私のように、人の目が気になって仕方がない人や
人とファッションを比べ、勝ち負けを考えちゃう人
もいるかもしれないね。

ファッションにかけるお金って、本当に上を見たらきりがないし
アラブの石油王の第一夫人でない限り
好きなものを好きなだけ買える人なんていないはず。
また、たとえ買えたとしても、
それで豊かさが手に入るとはかぎりません。

働いたお金で愛せる服を手に入れ、
クロゼットの仲間入りをさせたときの喜びは、
なにものにも代えがたいもの。
もちろん私たちは社会的な生き物だから
周囲と調和し、好感をもってもらえるよう
配慮しなければならないのは、当然のことです。
でも、人からどう見られるかと同じくらい
「自分の記憶に残る服」
「自分が自分らしくいられる服」は
私たちにとって大切なことだし
人生をより豊かなものにしてくれる。
それは、値段が高いか安いか、着る期間が長いか短いか
ブランドものかファストファッションか
だけの問題ではないように思います。
そのことをお伝えするのも、私が毎日このブログを書いている
動機のひとつかもしれません。

今日は自爆テロみたいな内容になっちゃってお恥ずかしい(汗)
幸せになるお金の使い方について
ていねいに真摯に導いてくれる西山さんの姿勢に、
かあちゃん感動してしまい、つい昔の自分を思い出しちゃったわ。

そうそう、西山さんによると
「お金が貯まる人のバッグには本が入っている」んですって!
あなたも、この本をバッグに入れてみることから
始めてみてはいかがですか?

人に負けたくなくて服を着ていた時期が、かあちゃんにもありました” に対して1件のコメントがあります。

  1. クー より:

    削除覚悟で書きます!私、かあちゃんと同じ会社を受けて…落ちました。今、かあちゃんのファッションの知識、情熱を感じて「お洋服の仕事が、本当にしたかった」と、心底思います。でも、何とか就職してからは、毎日ファッションにお金を使っていました。ひと月分のお給料叩いてスーツをオーダーしたり、ツケマ、ローズのマニキュア。47年前です。「必殺遊び人」と、恐れられていました。あの時ファッションの世界にいたら…と思います。かあちゃんは、お幸せです

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