実録・神対応なスゴ腕販売員がいた!

(↑本文にはなんの関係もない、今週のH&Mのディスプレイです)

かあちゃんは20代後半に、
全国の専門店さんを回って、接客やらディスプレイやら
もろもろの販売指導をする部署にいました。

そのときの上司が、すごかった!
男性だけど、今でいうオネエなので”T姐さん”と言いますね。

彼が行く先々でお店の売り上げがいっきに上がり
何がおきたんだ?と周囲がざわついたほど。
そんな凄腕の上司に、毎日金魚のフンみたいにくっついて
さすらいの旅から旅への日々だったので
今考えてみれば、貴重な経験をしたものです。

 

T姐さん、
お客様が試着室に入っている間に
小太りな体で、さっさささーと目まぐるしく動きます。

例えば
明らかにサイズが小さいのに、
9号サイズを持って試着室に入ったお客様には
(こういう小さな見栄っぱり、私たちよくやっちゃわない?笑)
さりげな〜く、11号、13号を用意しておいて
「あのーちょっと小さいかも」とお客様が言ったとたん
「ちょっとこの服、細身にできてるから、こっち着てみて〜」
と、すかさず大きいサイズの服をカーテン越しに渡す。
T姐さんは、お客様の体型を一瞥しただけで
適切なサイズがわかってしまうので
お客様に言われてからサイズを探す、なんて絶対しません。
試着室の中、半裸でぼーっとサイズを出してくれるのを待っていると
買う側は、テンション下がりまくるものね。

さらにお客様が試着室から出ようとカーテンを開けた瞬間、
どこから持ってきたのか
さりげなくブラシを取り出し、髪を整えてあげて、
数秒で、グロスを足したりメイクを直して
お客様に鏡の前に立ってもらう。

試着室って、服を脱いだり着たりしてるうちに
髪がボッサボサになっちゃうし
汗をかいて顔がテカるは口紅はとれるわ
メイクがほぼ崩壊するじゃない?
ちょっとだけ修正してもらって鏡の前に立つと、
「ほおらきれい!」
と、女性はシンデレラ気分になるのですよね。

 

それから、お客様を数秒観察しただけで
まだろくにお話もしていないのに
どんな感じの職業かとか、どんな傾向の服が好みとか
読心術みたいに、わかってしまい
その方が言われて嬉しいと思われることをズバリ言うし
コーディネートして差し上げる服も、的確。

 

私たち女性は、
ちょっと見栄っ張りだし、
コンプレックスを刺激されるとムッとするし、
「この人は、私のことをわかってくれてる」
と思う人には心を開く生き物。

 

「プレゼント」の語源は
「プレゼンス(PRESENCE)=存在」
だそうで、

「あなたを想う人間がここにいます」と
自分の存在を相手に伝えるメッセージであるとともに
その人の存在そのものを認めることなんですって。

 

ニコニコ顏で帰っていくお客様の後ろ姿をみながら
「T姐さん、今日もお客様に
目に見えないプレゼントをたくさんしたんだなあ」と
かあちゃんは思うのでした。
最近、あんまりこういう販売員さんには出会わないので
ときどき懐かしく思い出します。

 

そしてその頃よりずいぶん大人になった?!今では
できればプレゼントされる側より
プレゼントする側でいたいものだ〜とも思います。
ガサツなかあちゃん、
いまだに全然細やかな気配りできないので
自戒をこめて書いてみました。(滝汗)

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