スカーフ偏愛物語(2)美は細部に宿る(エルメス・エクスクルーシヴライン)
こんにちは。ミランダかあちゃんです。
あのう〜パンのミミって好きですか?
かあちゃんは、パン屋さんでスライスしてもらう食パンの一番はじっこの、片面が全部ミミになっているところも好きだし、
フランスパンのとがったはじっこの硬いところも好きです。
今日はスカーフのはじっこ、つまり「縁(ふち)」のお話です。
みなさんは、エルメススカーフのふちが手縫いでできているってご存知ですか?
「ハンドロール技法」と言って、スカーフのふちの色と全く同じ色の糸を使い、一方のスカーフの角を固定し、表から裏の方向にくるりと巻きながら手で縫っていきます。(通称フランスかがり)
このふち、わずか2㎜ですよ!
90㎝のカレの場合、ベテラン職人さんでも約45分かかるそうです。
(写真は、「pen」2017.2.15号よりお借りしました。)
ミシンでだーっと縫っても良さそうなものですが、なぜ手作業をするかというと、
裏から縫うことで、表から縫い目が全く見えないのと、そしてどんなふうにスカーフを結んでも、スカーフの表面が出やすいからだそうです。
またこのハンドロールの工程中、1枚1枚スカーフの織りムラや染色ムラを目検でチェックしているそう。
カレの柄は、正方形をぐるりと囲むようにフレーム部分の色を変えてあるもの、
スカーフ生地の色からふちのカラーまで全て同じ色のもの、
そしてふちだけ色が違うもの、
・・・と様々あり、どのタイプを選ぶかは全くのお好みでしょうが
マニアの間で(?!)エクスクルーシヴラインと言われるのは、ふちだけ色が違うもの。
ふつうに考えて、この細いピンクのふちの部分だけを巻き込み、上のスカーフならピンクの部分と赤い部分がガタガタと混ざらないようにするなんて、至難の技です。
かあちゃん、このふちの部分をほどいてみたことがあるのですが(少年が機械を解体するのと同じね 笑)ハンドロール部分の縫い代は15㎜。
それをくるくると巻きあげて、スカーフのふちのどの部分を測ってもきっかり2㎜になるようかがってありました。
縁の内部はかなりきつく細く何度もきっちり巻いてあり、しかも縫いあがりの糸が裏から見てもほとんど見えません。
ということは、どんなにカレを使い込んでもふちがほどけてくる心配がないということ。
カレのふちにも、エルメスの意地とプライドが垣間見えます。
これがまさしく、ふちが別色のスカーフが「エクスクルーシヴライン」と言われるゆえん。
パリ蚤の市のヴィンテージショップのマダム達も、このタイプだけは絶対にまけてくれませんでしたもの。
そんなわけでリメイクで最後に残ったふちも、美しくてとても捨てられません。
糸が出てくるので商品化はできませんが、疲れてくると色々作って無心に遊ぶかあちゃん。
はあ〜っ、こんなにも細部にこだわったファッションアイテムは、そうそうあるものではありません。
「美は細部に宿る」って、決して簡単なことではないのですよね。
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こんにちは。
今日のお話し、じ~んとしながら読みました。
いま禅関係の本を読んでいるところで、石うすの話しが出てきます。
石うすも何十年と使用されて、臼として機能しなくなると漬物石に使われ、やがては庭の飛び石に使われる。そんな話しが書いてあります。
人の手で作られた物を、縁あって自分が手にしたならば、大切にしたい。
きっと人を大切にする心につながっていくんですね。
今回の話題で、本と同じだなと勝手に感じました。
かあちゃんが退院された後の表現が、これまで以上にあたたかく感じます。
kaoさま、こんにちは。コメントありがとうございます。
石臼のお話、なんて素敵なんでしょう!
日本人は昔から、ゆかたをあつらえ古くなったらオムツやお雑巾にして・・と、ものを再活用しながら生活する知恵があるように思います。
衣服は消耗品だけれど、縁あって出会ったものと寿命が来るまで大切におつきあいしたいですね。
こんにちは。いつも愛読しています♪
エルメスの縁だけ色違いは特別だったんですね。
あまり使わないので観賞用に厳選して減らしたのですが、
残したのを確認してみたら、そのタイプが多かったです。
なんか嬉しいです♡
写真の中でかあちゃんさんが広げておられる
「時の実験室」の白黒、入手が難しいものだったと
思いますが、本当に素敵ですね〜
また欲しくなってきます…いやいや、我慢です…
oscarさま、こんにちは。コメントありがとうございます。
お手元に残したスカーフにエクスクルーシブラインが多かったなんて、お目が高い!
かあちゃんも次々欲しくなって困ります〜。
ミランダかあちゃん、こんばんは。
今回は、ふちをほどいて見てみた、部分にかあちゃんのスカーフ愛を感じました(笑)
瓶に貯まったふち、きれいですね。
よしえさま、こんにちは。コメントありがとうございます。
ふちの中がどうなっているのかしら?と思うと、夜も眠れなくて(笑)
スカーフって最後の最後まで美しいです。