バーキンはデザインが変わらないのに、なぜ女性に愛され続けているのか?

 

「なぜバーキンは、最初に発売されたときと
デザインが全く変わらないのに、
いつまでも女性に愛され続けているの?」
知人とそんな話になりました。

バーキンだけでなくケリーもポリードも
現代に至るまでずっと
最初に作られたデザインのまま。
考えてみれば、すごく珍しいことです。
(エリメス以外だとシャネルのマトラッセもつくられた当時のまま)

歴史の古いメゾンはたくさんあり
例えばアレッサンドロ・ミケーレが
新しくクリエイティブディレクターになり
息を吹きかえして、今ノリにのってるGUCCIのように
過去のアーカイブを尊重しながら
時代に合わせて、商品デザインが刷新されるブランドが多い中で
エルメスのケリーやバーキンは全然変わらない。

誤解を恐れずに言えば
エルメスは「職人」のブランドで
他のメゾンは「デザイナー」のブランドだから
なのかもしれないとかあちゃんは思います。

例えば、エルメスのスカーフ「カレ」を
デザインするデザイナーは常時20名程度いて、
毎年新しい図柄を発表し続けているわけですが
彼らの名前が表に出ることはほとんどないです。

エルメスでは、デザイナーも、
シルクスクリーンの下絵をトレースする技師も
何回も色をのせてプリントする職人も
みな同じ「カレを作る職人」。
誰かが突出して脚光をあびたり、
注目されたりすることはありません。

これ、他のメゾンと比べるとかなり特殊で
エルメスがもともと
馬具メーカーからスタートしていることと
関係しているのかもしれません。

ご存知のかたも多いと思いますが
エルメスバッグの多くの工程は手縫いです。
それは、馬の鞍がずれないように
人が安全に快適に乗れるように
機能美を深く追求した結果、
生まれた技術なのだそうです。

だから、エルメスの美しさは
「デザインの美」というより
「用の美」
に近いのではないでしょうか。

 

↑こちらは、今年7月のエルメス銀座店のウィンドウです。

銀座エルメスからGUまで

日本人もまた、
昔から「用の美」を追求してきた民族です。
使い込まれた南部鉄器の急須や
木でできたシンプルなほうき
曲げわっぱのお弁当箱など、
機能美を追求した結果、
究極にシンプルに美しい道具類が
日本にはたくさんあります。

良品計画の無印良品

・D&DEPARTMENT

順理庵
(ユナイテッドアローズの重松会長が作った和の専門店)

などはそうしたものを扱うお店の代表格だと思います。

 

毎日みなさんから送られてくるスカーフも
四方のかがり部分(これも手縫いだそうです)を切っても
手縫いの部分は全然ほつれてこないんです。
職人技、おそるべしです。

用の美を兼ね備えたものは
独創的なデザインで作られたもの同様に美しく
そしてそれより長い年月、人の心に残る。

この一ヶ月、ご注文いただいたみなさんのおかげで
大量のスカーフを見続けたかあちゃんは
最近そんなことを感じるようになりました。

 

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