進化するファッションの歴史が面白い「マリアノ・フォルチュニ展」

こんにちは。ミランダかあちゃんです。

今日は、帰省先や旅行先で、このブログを読んでくださっている方もいるかもしれませんね。
かあちゃんは、オンラインサロンの皆さんと一緒に、
丸の内の三菱一号間美術館で開催されている「マリアノ・フォルチュニ織りなすデザイン展」に行ってきました。
都内はどこも空いていて、美術館もガラガラ。

 

19世紀後半、それまで女性の体をギュウギュウに締め付けていたコルセット(矯正下着)から女性を解放したデザイナーがいます。
一人はポール・ポワレ。
*ポールポワレについてはこちらの記事で詳しく書きました
もし私たちがまだキモノを着ていたら、世界のバリキャリは生まれていないかもしれない?

 

そして他の2人は、
バイアスカットの名手マドレーヌ・ヴィオネ。
(マドレーヌ・ヴィオネについては機会があればいずれ)
そして今回の企画展で取り上げられているマリアノ・フォルチュニです。

 

マリアノ・フォルチュニは、オートクチュールコレクションを開催したり、VOGUEなどの雑誌で華々しく取り上げられることが少なかった人なので、
「どんな人なんだろう?」
とかあちゃんも思っていました。

真ん中の黒いチューブ状のドレスが「デルフォス」という彼の代表的なドレス。
一枚のシルクサテン生地に、縦にものすごく細かいプリーツが施されたデザインです。
ちょうどイッセイミヤケの「プリーツ・プリーツ」みたいに、どこま〜でも伸びる服。
両サイドを、重りと飾りを兼ねたとんぼ玉のようなもので止めている以外、装飾やデザインはあまりされていないんです。

 

彼がデザインした、それ以外のローブやカフタン、オペラジャケットの類も、デザインはいたってシンプル。
特徴的なのは、世界の様々な文様にヒントを得た、テキスタイルデザインの面白さです。

 

写真右のピンクのフード付きケープや、左から2番めのキモノの道行きのようなベルベット生地のジャケット。
最初かあちゃんてっきり織物だと思いました。
ベルベットは、生地の表面が毛羽立っていて、その毛羽のあるなしや高低差を出したり、何色かの糸を組み合わせたりして、模様を浮き上がらせる手法がイタリアの伝統的なやり方ですが、
このマリアノ・フォルチュニさんは、単色無地のベルベット生地に、版画の版のようなものでステンシルプリントをする、という方法でベルベットの模様を描いているんです。
この方法だと、自由自在にプリント模様の場所を決められるので、模様と色の出方が大胆で面白いんですよね。

 

 

会場内の展示で「ヴァレンティノ」の2016年SSオートクチュールコレクションのVTRが流れていて、これは必見です!
フォルチュニデザインのテキスタイルが使用されているほか、
光沢感のあるベルベットや透ける素材に、刺しゅうやプリーツで繊細な手装飾が施され、蝉の薄羽のような美しさ。
生地の中で身体が動くゆったりとしたシルエットで、ボタンやファスナーといったパーツができるだけ省かれていて、大きな一枚の生地を2つに折り脇を紐で軽く留める、というローマ、ギリシャの衣服や日本の着物をほうふつとさせるようなデザインです。

 

 

フィナーレで登場するのが、ヴァレンティノ オート クチュールの当時のクリエイティブ・ディレクターのマリア・グラツィア・キウリ。
ヴァレンティノを10億ドルブランドに押し上げた後、2016年からディオールで辣腕をふるっている、今ファッション界で最も脂ののったデザイナーの1人です。

マリア・グラツィア・キウリのデザインをみて、マリアノ・フォルチュニさんは
「あ〜僕が表現したかったのは、こういうデザインなのよ〜」
って思っているんじゃないだろうか・・?
と思うほど素晴らしい出来栄えです。

 

ファッションの歴史は、過去の素晴らしいアーカーブを引き継ぎ、そこからさらに進化する。
そこもまた見所の一つですね。

「マリアノ・フォルチュニ織りなすデザイン展」

は2019年10月6日までです。
東京駅周辺や銀座にいらしたついでに、立ち寄るのもいいかもしれませんね。

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